裏になるもの

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「最果てのイマ」を未プレイ状態でどんなゲームか予想する

いや、未プレイつってもインストールして起動確認くらいはしてるんだけどね。
時々Twitterとかで目にしたネタバレとして、「どうか優しく配列されますように――」だったかいうフレーズがあることと、「戦争編」というのが存在することは知っている。
だからこう、ゲーム内で時系列がシャッフルされたような叙述がなされ、なおかつその始点がわからないような工夫がされているんじゃないかなと思う。
配列というのはその語りの並び替えのことであって、最終的にはプレイヤーがお話を並び替えて読んでくれというわけ。
戦争編というからには穏やかじゃない話なんだろう。そしておそらく他の***編は穏やかな話。
その並び替えによっては、いいことが起きてから悪いことが起きるという残酷な話にもなるし、悪いことが起きてからいいことが起きる救いのある話にもなる。
どうか優しく配列されますように、というのは後者みたいな並び替えがなされてほしいということではないか。

しかし発売して数年経っているゲームの予想、意味があるのだろうか。
なんか書きたくなったのでつい……

「君と彼女と彼女の恋。」メモ・リンク

随時更新。

1 雑感メモ

  • 力作なのでこちらも全力で殺しに行きます
  • 「作り手からプレイヤーへの倫理的糾弾」だとして読んじゃうとかなりもったいない
    • リアクションが「襟を正す」か「開き直る」か「無視」の三択にしかならないから
    • 「ととの。」を受け取った我々がしなければならないのは「正しく考えること」であって「正しく在ること」ではない
  • 今のところ本作におけるゲームという制度(と書いてシステムと読む)のエグさについて言及している文章がないので自分で書くしかない
    • シナリオがシステムを超えたとか動かしたとかいう感想を見かけたんだけど、これは真逆では。徹底してシステムがシナリオに対して上位だったと思う
  • アプローチの方向
    • 作品内テキストから
    • 作品外テキスト(製作者の発言など)から
    • 例えば、作品外で下倉バイオさんはこう言っていたが、それはどの程度達成されたか作品内から検証する、というような論の立て方がある
      • 同様に、作品内からこういうことが導き出せると思うが、その論拠の補強として作品外で下倉バイオさんはこう言っている、という方法もある
      • 両者の帰納・演繹関係をごっちゃにしない
    • 今は意識的に作品内テキストから始めようと思っている。そうしないと多分浮つく
      • ただセーブが削除される仕様上、テキストの再読が困難を極める。スクリーンショットはあるけど
      • SS使わない場合、どうやったって記憶からしか語れないわけで、それがより各人各様を後押ししてしまっている側面はあるかも。つまりそれぞれの中の「ととの。」語りでしかない。個人的には、原テキストを引用しつつ話を進めるスタイルでいきたい。
  • 美雪・アオイ
    • skezyさんと同じく(?)、美雪好きだったんだけど思想的選択としてアオイを選んだ。これはけっこうもにょるところ
      • 美雪が好きなのにアオイを選ばせるこのゲームの制度(システム)はクソ、と言っていいのか?
      • 制度など無視して美雪を選ぶべきだったのでは?
    • 美雪を選択したらどういうエンドになるのかを予想する、というのもやっておいた方がいいか(この先もし再プレイしちゃったら二度と「予想」はできないわけだし)

公式サイト

プレイレビュー - ニトロプラス『君と彼女と彼女の恋。』

忸怩たるループ0309
9月9日。
Ilmari(@_imaki)/2010年05月 - Twilog
5月11日前後。

あとまあ、女の子を救うことが自分を救う、ひいてはそれを眺めるプレイヤーを救うという欲望と妙に絡まり合ったりしているので、救う救わないの話に関しては慎重にならざるをえない。
ninomae_fumi 2012-07-27 18:00:10
プレイヤーがエロゲやるときに自己対象化するキャラクターがヒロインであるパターンというのが一定存在しているので、この辺をまずテクスト部分から切り分けた上で、テクスト上においていかにヒロインを主人公が救うのか、それによって主人公がいかに救われるのかについての分析が必要になる。
ninomae_fumi 2012-07-27 18:02:30
主人公がヒロインを救う話を分析するためには、まずそれだけの事前分析という手続きというものを踏まねばならんので、そこをおっぽり出して安直に救いについての話をするのはどうかな的な感触。
ninomae_fumi 2012-07-27 18:04:15

Key周りのヒロインの救済について語る際に踏まえておきたいこと - Togetter
ととの。感想・レビューなど

はてブ参照。

3 参考作品

Fate/hollow ataraxia

コンプリート(小項目として全てのCGを回収する行為)を希求するプレイヤーについて。
八岐の園と虚ろな楽園(メモ) - BLUE ON BLUE(XPD SIDE)跡地

Fate/HWが特徴的なのは、別に主人公がループに「飽きた」と云ってること、そこから脱出しようとしていることではない。こうした方向性はおおむねループゲームには含まれてて、主要な命題となっている。むしろ「飽きた」という強がりを云わせるほどに、幸福な繰り返しが魅惑的であるという主張を織り込んでいることこそ、特徴的な部分といえる。

ループゲーが有限性に囚われたマルチシナリオ型ノベルゲーの変奏であり、その反復がマルチシナリオを何度も繰り返すことの変奏である、という観点からすると、「終わらせる」方向にプレイヤーを誘導するように作られている大半のループゲーは、コンプリートという審級――つまりは物語を「完成させようとする」書き手と読み手の欲望に忠実であると解釈できる。

一方、HWはそれを緩やかに迂回し、延々と飽きるまで同じことを繰り返すことを許容していて、物語のケリをつけても、延々と同じことを繰り返すことが許された構造になっている。物語を「完成させること」がゲームの終わりではなく、そこにあるものを享受し続けたいと思う限り享受してよい、というおおらかな態度がそこにある。テキストは大半のループゲー同様、終わりへとひたすら指向する話なのに、ゲームシステムはそうではない。この捩れはいったい何に起因しているのか、少し興味があるのだけど、とりあえずここまで。気が向いたら続きを。

八岐の園と虚ろな楽園(メモ) - BLUE ON BLUE(XPD SIDE)跡地

「飽きた。つまんねえ」(Fate/hollow ataraxia)について 【 なすところをしらざればなり 】

そう、だから「飽きた。つまんねえ」とは、内容が「飽きた。つまんねえ」なのではなく、形式が「飽きた。つまんねえ」なのです。

「飽きた。つまんねえ」(Fate/hollow ataraxia)について 【 なすところをしらざればなり 】

輝かしい星が見る夢 ── 奈須きのこインタビュー | NETOKARU

奈須:ゲームである以上、面白いアイディアを盛り込もうという気持ちがありました。たとえば、実質的なラスボスであるアンリマユに開始直後から会いに行くことができるんですよ。けれど絶対に勝てない。しかし、少しプレイしてグラフィックルームに行くと、天の杯の形をしたステンドグラスがあってそこにCGが埋め込まれていくことが分かる。「欠落があるかぎり、この世界は回り続ける」とアンリは事あるごとに言います。そこで勘のいい人はイベントを全部見ないとアンリマユを打倒できないんだと気付く。要するに、全ての可能性を潰すことによってしか、この世界に別れを告げることはできないというメッセージをシステムからでも語ろうと。90年代前半まで、18禁ゲームというのは物語を楽しむのではなくCGを埋める目的でプレイされていた側面があります。CGをコンプリートしないとみんな気持ち悪くてやめられないんですよね。しかし、世界の終わりを知るということはその世界を殺し、次の世界=新作ゲームへと無慈悲に進むことなんです。それだけの情熱をもってコンプしたゲームは、その瞬間に忘れ去られる。僕が『hollow』でやりたかったのは、それを踏まえた上でひとつの世界に永遠に留まるか、それとも進んでいくのかを選択してもらうことでした。そしてアンリマユが考える正解は後者です。ある世界を食いつぶして先に進むことは尻軽な話ではなく、人が生きるということ自体がその繰り返しなんだから胸を張って食いつぶしていけ、というのが彼の言いたかったことなんです。だから、最後にバゼットと背中を合わせて別々の方向に走っていくというのは、思い出を永遠にするな、常にそれは更新されていくんだから自分の生き方にいじけたりするなというメッセージでもあります。しばしばその終わり方について「書を捨てよ、町へ出よう」的なオチだろうと言われたんですけど、全く逆というか……オタクでもいいじゃん、「外を捨てて書を読み続けろ」みたいな。お前らひたすらゲームをやり続けろってことですね(笑)。お前らがやり続ける限りは、俺たちも永遠に世界を作り続けるぜ、ということを発信したかった。

楽園の先に現れるもの―『Fate/hollow ataraxia』、「Realta Nua」

『Fate/hollow ataraxia』について - ストーカーという文字は恋する乙女と読みます

インタビューでこう仰っておりますが、しかし「その瞬間」に忘れない猿みたいなプレイヤー、つまりこの期に及んで飽きてなくて再プレイしちゃうようなプレイヤーにもそういう選択をさせる―――「それでもゲームやめさせる=次の世界=新作ゲームへ無慈悲に進ませる」ように作られている。むしろそここそが、アンリとプレイヤーが同一的である部分と言えるくらい。本当はこの期に及んで飽きていないアンリと、同じく飽きていないプレイヤー。彼らはどうして・どうやって、この理論上永遠に飽きずに続けられる世界を終わらせられるのか。

それが、「終わる事と続かない事は違う」ということです。

『Fate/hollow ataraxia』について - ストーカーという文字は恋する乙女と読みます

Fate/hollow ataraxia』を遊び尽くして、飽きて、いや飽きなくても食いつぶすくらいにやって、そしてやめて先に進むことは、認められている。いや、それこそが『Fate/hollow ataraxia』で語られてることだと言っても過言ではないくらい。別に町に出なくても現実に帰らなくてもいい、新しいゲームをやろうが何をやろうが構わない、しかし(このゲームを)終わらせないと先は(続きは)ないし、そして終わらせちゃっても全然構わない、むしろゲームというのはそういうものだ、そのように語られている。

食いつぶして、終わらせて、先に進む。ゲームとプレイヤーとの関係はそれでいい。そうつまり、先のインタビューの一文から改変して書くならば。とても素晴らしいゲームに出会って、それを輝かしい星と思えたならば、その終わりがどんなに辛くとも悲しんではいけない。それを糧にして、星の輝きに負けないものをその先に得られるように――たとえそれが不可能だと判っていたとしても――頑張っていかなくちゃいけない。……『Fate/hollow』がプレイヤーに求めるものは、そして与えたものは、そういうものではないだろうか。

『Fate/hollow ataraxia』について - ストーカーという文字は恋する乙女と読みます

ただ、目的語をゲームからキャラクターに変えた場合も同じ論理を適用できるのか、考える余地がある。誰助誰犠問題はまさにキャラクターを基点にして想像されるものだからだ。

Kanon

言うまでもないことだけど、「Kanon」における誰助誰犠問題は(そんなことはテキストに書かれていないという意味において)偽の問題であるのに対して、「ととの。」の誰助誰犠問題は実在する(テキストにそう書いてある)問題である。
物事の裏には意図があるので、なぜ「ととの。」では誰助誰犠設定が明確に記述されたのかを考える必要がある。
関連:Kanon問題[2009-2010] - Togetter見返してたら下倉バイオさんのツイートが入ってて笑った。

ななついろ★ドロップス

プレイヤーとプレイヤーキャラとの関係性の一例として。あまり重要ではない。

PC新環境作りのためのリスト

こういう感じにしたいな、というウィッシュリスト

デスクトップPC

G-Spec i73770KZ77/670/Tカスタマイズ - TWOTOP
かなり上等なパーツを使って仮構成した。
OS:Windows7 64bit Professional。CPU:Core i7-3770K。
CPUクーラー:標準。熱伝導剤:シルバーグリス Arctic Silver 5。
マザーボードASUS P8Z77-V。メモリ:16GB(8GBx2) PC12800 DDR3 1600MHz、センチュリーマイクロ製。
SSDサムスンの120GB、MZ-7TD120B/IT、パーティションなし。HDD:標準の2TB、パーティションなし。光学ドライブ:Blu-rayドライブ。
グラフィックボード:NVIDIA GeForce GTX 670。
サウンドカード:CREATIVE Sound Blaster X-Fi Titanium HD。
電源:【80PLUS PLATINUM】 ENERMAX EPM850EWT。
キーボード:USB 日本語キーボード。
無停電電源装置:OMRON BY50S 500VA/300W。
これで送料込み1年保証(3年保証なし)付き239076円。さすがに電源18000円は高いし無停電電源装置とか(最初は)なくてもよくね? ということでここからいろいろダウングレードして20万円くらいに抑えたいところ。
Seed i73770ZG66Ti/DVR BTO - フェイス
こちらも上記と同じグレードのパーツを選ぶと同じような値段になるが、3.5インチベイにカードリーダー付けられたりCPUクーラーがアップグレードできたりするのでちょっといいかも。

2013-05-15追記

BTO PC STORM / Storm Annihilator
ここもよい。SSDIntel 520 Series 120GBにして光学ドライブをBD-Rドライブに、サウンドカードを削り、電源を80PLUS SILVERのにしようかなと。

スピーカー

LOGICOOL ステレオスピーカー Z120BW
LOGICOOL ステレオスピーカー Z120BW
最近まで1000円以下だったが、つい先日Amazonの在庫が切れてしまったようだ。

2013-05-15追記

将来的にはそれなりのランクのものを揃えたいが、予算の都合によりとりあえず廉価なものの中で評価が高い製品を選んだ。

ヘッドフォン

未定。Bluetoothの無線ヘッドフォンがいいかなと思っている。

CPUケース

SANWA SUPPLY CPUスタンド CP-031
SANWA SUPPLY CPUスタンド CP-031
ああ、次はイス選びだ……

自分用美少女ゲームメモリンク

個人的美少女ゲーム原画家ランキング

エロゲー批評空間のお気に入りクリエイターに登録した人たち+ニコ生のリスナーに名前を挙げてもらった人たち+その他思い出した人たち。
お気に入り(好き)度合いでS~C評価。今後、スクリーンショットを加えてメインブログに再投稿するかもしれない。

S(まじこい枠)

wagi

A

かみやまねき、ぶぶづけ、さくやついたち、choco chip、キリヤマ太一

B

二ノ膳、神剣桜花、天織龍樹大槍葦人、M&M、津路参汰織澤あきふみ、白猫参謀、☆画野朗、松乃かねる、TOMA、水無月徹、ゆうろ、武内崇、こやまひろかず、中村哲也、川原誠、高苗京鈴アリスソフト勢(むつみまさと、おにぎりくん、織音)、ケロQ・枕勢(SCA-自、基4%、硯、籠目、karory、梱枝りこ)、西又葵、亜方逸樹

C

樋上いたる松竜、AKINOKO.、べっかんこう、こもりけい、橋本タカシ、鈴平ひろ、あかざ、いとうのいぢ、ぺろ、Na-Ga、みこしまつり、仁之丞、坂上海、中央東口、ミヤスリサ、笛、文倉十八宝備仁すめらぎ琥珀みやま零玉岡かがり唯々月たすくみさくらなんこつ、月音

保留(参加ゲームをやってない人など)

カントク、アマクラ、竜騎士07、まっぴーらっく、大石竜子CARNELIAN

「ねらわれた学園」

人や物がよく回るアニメだった。あとすっごいエロい。でも清潔感ある。画面光る。エモい。
そんなわけで。rakankaさんとaquirax_kさんがやたらと推しててyukimura_anzuさんも観てたという影響で僕も映画館に足を運んだのでお三人に感謝。makoto_hajimeさんとpetro_vichさんも鑑賞後のお話に付き合っていただいてありがとうございます。

回転

前半は動きに注目して観ていた。
冒頭の海岸のシーンで、ナツキの身振り手振りがすごく過剰気味だなー 舞台の上で遠くの観客にも何やってるか伝わるように意識した時の動きみたいだ、とか思っていた。その後も横回転や縦回転を駆使して動き回るナツキを観ていると楽しかった。飛び石飛んだり、カホリに抱きついて回ったり、屋根伝いに宙返りしたりね。
生徒会長のペン回しもよかった。一瞬だけどものすごい勢いで回転してるし、光が反射するところで引きこまれた。

エロい

カホリは京極に対するリアクションでビックンビックンしてる様が非常にエロかった。それでいて上品さを保った画面になっていて満足。花澤さんの声のおかげなのか?
ナツキは特定のシーン単位では覚えてないけど、全般的に健康的にエロい感じがしていた。
エロい言いたいだけちゃうんか。

綺麗な画面

光ピカーッ、桜の花びらヒュアーッ、水平線スパーッって感じですごく綺麗(伝われ)。
本編ではいろいろな形で桜の花びらが映る。僕がいっとう綺麗だと思ったのは、線路沿いに撒かれた花びらが電車が通り過ぎるとともに吹き上がるところ。

エモい

同じ「片想いする者」としてケンジの気持ちがわかる、というナツキの言葉はとても好ましい。同じ立場、同じ境遇、同じポジションといったところに僕は弱い。ナツキの語りに「幼なじみというポジション」なるフレーズがあったと思うけど、それを自ら捨てることで新しいポジションに立つんだ。いいよなあ。
ケンジが海パンで殴りこむシーンは盛り上がった。チャックが開いてて失敗、を二回繰り返したのはあそこで「海パンだから恥ずかしくないもん」をやるためだったのか! あれ以上は恥ずかしくなりようがないもんな、全裸にでもならない限り。
生徒会室を出るときに、みんなの視線がケンジとナツキに集まるところが好き。きっと憧れるよ。
 
京極とカホリはエンドパートでポケモンみたいになった彼と彼女が視線を交錯させるところが最高にエモかった。
 
yukimura_anzuさんのアニメ「リトルバスターズ!」感想で


というくだりがあって、本作もそういうところあるよなーと。
ケンジのおじいさんや京極のお父さんに起こったこと、カホリのお父さんや京極のお母さんに起こったこと。ケンジとナツキに起こったこと。そういった様々なことがらの因果関係がはっきりと語られるわけではない。
だけど、そこに踏み込まなくても、自分に見て取れるだけのことから、誰かが誰かにいてほしいと思う。誰かにいてほしいと思われて、いま自分がここにいる。それが貴いと感じている。
だから、僕が原作・過去映像化作品に触れてないこともあってわからなかったことは多いけど(おじいさんが倒れた理由とか)、あまり裏設定的な部分へアクセスしたいという欲求はないかな。これは本作に限らず最近の僕自身の傾向でもある。

2012-11-25 14:41追記

そうそう、"もうそれだけでいいよ"という感覚に近いかも。

関連

パンフよりガイドブックのほうが充実しているという情報あり。



公式ガイドブック ねらわれた学園
公式ガイドブック ねらわれた学園
ねらわれた学園 オリジナルサウンドトラック
ねらわれた学園 オリジナルサウンドトラック
音楽担当は村井秀清さん。よいピアノだった。
村井秀清 SPECIAL SITE
銀色飛行船(初回生産限定盤)(Blu-ray Disc付)
銀色飛行船(初回生産限定盤)(Blu-ray Disc付)
ねらわれた学園 (講談社文庫)
ねらわれた学園 (講談社文庫)

「辻堂さんの純愛ロード」 2 概要・導入部

メインブログに書くレビューの下書き。

1 概要

そんなわけで。みなとカーニバルの不良娘といちゃくつADV「辻堂さんの純愛ロード」をプレイした。恋の甘みも痛みもくるんだ潮風が香り立つ良作だった。プレイ時間は約45時間、撮影したスクリーンショットは約2300枚。
タカヒロ企画恒例のヒロイン全員共通属性、今回は不良娘・ヤンキーである。作品概要は公式サイトを参照。

企画タカヒロが送る「つよきす」「真剣で私に恋しなさい!」に続く
学園コメディの第3弾は、シナリオ・さかき傘 原画・みこしまつり の
タッグでお送りするヒロイン全員不良娘の「辻堂さんの純愛ロード」
選択肢で分岐していくオーソドックスなADVです。目的は青春の堪能!
強気な彼女達と織りなす、明るいドタバタ学園生活、そして彼女達が
交流を深めると見せ始める、女の子らしさをお楽しみ下さい。

辻堂さんの純愛ロード 作品概要

企画に加えてキャラクター設定もタカヒロがやっているから、本作をタカヒロ作品と呼ぶことも可能ではあるけど、さかき傘の色も濃いので判断が難しい。例えば、キャラクターたちが決定的に何かを与えられていたり失っている、というところはタカヒロらしいが、彼らがそれをどう受け止めどのように己の生を全うしていくか、というところは既存のタカヒロ作品とやや異なる。
ゲームの目的について、青春という言葉が持つ射程の広さを活かし、女の子との恋愛を主眼にしつつもそれだけにとどまらない楽しみを提示する。これは本家みなとそふとの「まじこい」「まじこいS」と同じ手法だ。辻堂愛と長谷冴子以外のヒロインは主人公・長谷大と通う学校が違うから、学園生活というよりは学生生活の方が近いかもしれない。
ちなみに、画面エフェクトとして頻繁に出てくる「!?」からもわかるとおり、本作は往年の不良漫画をルーツに持つ(タカヒロが漫画読みであることは言うまでもない)。
みこしまつりは特に好きな原画家ではなかったけれど、作風にはよく合っていたと思う。
BGM担当の琉姫アルナは初めて聴くコンポーザーだった。「Shonanグラフィティ」「自分が自分であるために」「Follow you」「やさしくありたい」などが好み。
橋本みゆきの主題歌「純愛ロード☆スクールデーズ」はすっきり爽やか、舞崎ナミのED曲「My Love, Honey.」は潤い豊かでよし。
メインスタッフについては以上。
みなとの自社ゲームエンジンも機能が充実してきて、現代のADV系エロゲで必要とされる機能はひと通り用意してあるし、立ち絵や演出も軽快に動くのでいい感じ。バックログからの復帰後もオート継続してほしいけど、これは好みの問題かな?
イベントモードで作中1日単位のシーンを見返すことができる。特定フラグで何らかのイベントが起こるシーンを見ようとすると「***フラグあり」「***フラグなし」を問われるから、選択肢の存在によって特定フラグがあることを知ることができ、これが自力攻略する際に役に立つ。上級者向けチュートリアル(20回チュートリアルを見ると行ける)の情報も含めれば、これでCG・回想は100%埋まる。ただ、ネタ系のエンドは気付かないこともあるため、完全にコンプしたいなら「BugBug」2012年11月号の攻略記事等を参考にするとよい。
「辻堂さんの純愛ロード」は導入部→選択部→各ルートという構成になっているから、ここでもその道筋にそって感想を書いていくことにする。

2 導入部

導入部(OPムービーが流れるまで)の選択肢は、選択部以降のフラグに影響しない。好きに選んだ。導入部の時点では導入部で語られることに何の意味もない。その意味は各ルートに入ってから遡及的に決定される。
長谷大と辻堂愛の馴れ初め、あるいは一夏限りの思い出。愛はケンカ以外の他の何か(目的)を探していたし、大は愛に他の何か(手段)を提案した。
大の特性は「意志の尊重」であり*1、その派生として「オルタナティブ(代案)の提示」がある。愛に何かをしたい(したくない)という意志があり、しかし彼女固有の事情によりそれができない(するしかない)とされる時、彼女の意志を汲み取って別の方法を模索してあげるということ。コンフリクトからの解放だ。

【大】「辻堂さんは『準備会』でなく、『俺』を手伝う。ってのはどう?」
[…]
【愛】『アタシ……ほら、普段あんなだから、色々できないこととか多くて』
【愛】『でもその生き方を選んだのはアタシで、だから出来ないことがあっても、仕方ないって思ってて。でも』
【愛】『……』
【愛】『ホント……感謝してる』
(導入部、6月8日)

見方を変えれば尊重するのは愛の意志だけであり、だからケンカという手段を認められないノーマルな大は彼女にケンカ以外のやり方を示し続ける。

【愛】「敵前逃亡なんて人生初だぜ」
[…]
【愛】「はー……、逃げるってイイな。今度からちょくちょくやってみよーかな」
(導入部、6月9日)

【愛】「逃げるってやっぱイイな。楽だし、すげーしてやったりって感じ」
【大】「逃げるが勝ちっていうもんね。理不尽にからまれた状況ならなおさら」
【愛】「知らなかった」
【愛】「最近ケンカがつまんなかったけど……そっか、こんなやり方もあるんだな」
(導入部、6月10日)

三大天。三角関係より多角な関係(四角関係、五角関係……)はおしなべて陳腐である。*2だから、きっと大が覚悟を決めてそこに身を投じた時から彼女たちの時代は終わり始めていた。張り詰めた三角形が保たれたのは総災天落しがあった6月5日から3会事件が起きた6月13日までであり、あとは全て三大天崩壊の歴史と言えなくもない。
積み上げが丁寧で、導入部まででメインヒロイン3人の魅力は十分に伝わってきた。
ここまでの中では、大がヤンキーの良さと悪さについて悩み揺れ動くテキストが印象的だ。「彼女にはいいとこあるし……でもヤンキーだし……でもかわいいし……でもよくないことしてるし……」みたいなウジウジ感がよい。

選択部

辻堂愛

片瀬恋奈

腰越マキ

*1:公式サイトのキャラクター紹介を参照。

*2:出典忘れた。