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「スパ4」 1/両対応テクニック

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コンシューマーゲームについてもぼちぼち書いていこうと思う。何度かここに書き溜めてまとまったらメインブログへ、という方針で。

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ゲームのテクニックは仕様ありきのもの。分類するなら、仕様に従った(開発側が想定済みの)技術と、仕様の隙を突いた(開発側が想定しない)技術があるように思う。そして、「スパ4」は後者のいわば仕様をハックするようなテクニックが多いのではないか。それは「スパ4」の仕様に(悪い言い方をすれば)穴が多いということを示していないか、という話。
背景にはこのゲームのプレイ人口が多いという事情がある。人口の多さはそのまま研究の盛んさに繋がり、どんどん仕様が解析されその利用法が発展していく。その結果、これだけのテクニックが発見されている。
SUPER STREET FIGHTER IV &AE Wiki - テクニック
この一覧には他ゲーと共通するテクニックもあるけれど、入力関係を中心にスパ4独自の技術も多い。つまり「スパ4」は独自仕様が多いということなのだが、ちょっとハックされすぎではないか。いや、数の問題じゃなく、肝心なところをハックされてるというか。

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特に気になるのが複合投げ抜け関連のテクニック。セビグラなんて本来できちゃだめだと思うんだよなー 1hitまでの打撃と投げを両方拒否できるわけでしょ。防御行動として便利すぎるし、打撃・ガード・投げ・投げ抜けっていう「スパ4」基本の四すくみ思想に反している。
個人的に両対応行動って嫌いなんだよね。僕自身、読み合いにすごく価値を置いてるプレイヤーというわけでもないんだけど、格ゲーの面白さの一つとして読み合いは無視できない要素だとは思う。
AorBという読み合いでAもBも拒否できる行動Zがあったらその読み合いは終わりじゃん。もちろん、Zに対する行動Cがあれば新しく読み合いが発生するけど……
僕は基本的に、格ゲーではゲームが止まる類のバグでない限り、あらゆる技術やハメを駆使してよいと思っている。また、ゲームプレイヤーは必ずしも開発側の想定内のプレイングをする必要はないし、むしろ仕様を使って作り手が思っても見なかったプレイをすることもゲームの発展に貢献すると思っている。
それでも、テクニックとして両対応行動が発見され、上級者はこぞって使用する状況というのはどうもしっくりこない。
自分の格ゲー観では、「格ゲーがうまくなること」は「両対応行動を使って厄介な読み合いをうまく拒否っていくこと」ではない。これに尽きる。

ただ、「スパ4」の場合は両対応でもしないとやってられねーよ! という攻め側の行動があるからなあ。そのへんはテクニック利用してようやくバランス取れてるのかもしれない。
例えば、「めくり」っていまや格ゲーの基本技術だけど、あれも大概理不尽じゃない。「見えない」タイプのめくりは、当たり判定の仕様よりもむしろ人間の視覚をハックした技術だという点では面白いけど、見えない攻撃ってよく考えたらおかしいしね。
だから「めくり両対応行動(昇竜とか)はよろしくない。おとなしくジャンプ攻撃でめくられるべき」って意見があったら「はあ? そもそもめくりで表裏二択押し付けるのが理不尽だろうが!」とは言える。
こういうのはケースバイケースで、めくりの場合はもう市民権得ちゃってる感があるし、どれだけ当たり判定を調整しても完全になくすことは難しいだろう。よって、めくりはあり、めくり両対応行動もあり、とするのが現代の格ゲーでは正しい仕様だと思う。もしくはめくりのリターンを低くし(めくり始動では通常技が繋がらない等)、めくり両対応行動をなしにするとかね。
投げの強い「スパ4」で複合投げ抜けができない仕様だったらワンチャンもっとバランス欠いてたまであるし、両対応行動もしぶしぶ現状追認するしかないか、と諦めている。

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総括すると、

  • 仕様の隙を突いたハック的な両対応行動テクニックは、僕としては敬遠したい
  • しかし、そもそも隙がある仕様を用意した開発側に問題がある
  • もっと言えば、両対応しないとやってられないような読み合いってどうなの、というところから調整が必要
  • スト5では改善されるといいね(カプコンにメールしよう)

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